Corgiville Museum 紅木 美るのケネディ・コレクションCorgiville Museum 紅木 美るのケネディ・コレクション

見世物になったNストリートの家

corgiville (2012年8月11日 03:05)

ケネディ大統領の暗殺後、1963年12月6日にジャッキーは二人の子どもと共にホワイトハウスを去りました。

一旦、ジョージタウンNストリートのハリマン邸に仮住まいした後、ハリマン邸の向かいのNストリート3017番地のコロニアル様式の家を購入しました。

しかし、ジャッキー母子が住むその家は、またたくまにワシントンの観光名所になってしまったようです。物見高い人々は、好奇のまなざしで大統領の未亡人の暮らしを覗こうと、観光バスが何台も家の前を通り過ぎていきました。

こんな経緯もあって、ジャッキーは翌年にニューヨークに引っ越す決心をするのです。

私がジョージタウンを訪れたとき、この家をみつけるのにとても苦労しました。今の持ち主の手前、あまりあからさまに確かめるわけにもいきません。ただ、ジャッキーの写真集で、まさにこの階段をジョン・ジュニアの手を引いて上がっていく彼女の写真を見ていたので確信しました。

ここにいた当時の彼女は、精神的に人生のどん底─何もかも手にしたファーストレディの座から、悲劇的な出来事によって突き落とされた直後だったので、きっとこの家にも明るい思い出は何ひとつないことでしょう。

そんな背景を別にすれば、ジョージタウンの瀟洒な家並みの中でもひときわ素敵な家でした。

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