アーリントン墓地
corgiville (2012年5月11日 11:50)
ケネディ大統領のお墓がワシントンのアーリントン墓地にあることはあまりに有名で訪れたことのある方も多いことと思います。
1963年にケネディが埋葬された際に、妻ジャクリーンの手で墓石の背後に「永遠の炎」が灯されました。
1994年にジャッキーが亡くなって、アーリントン墓地のケネディの墓の隣に葬られたとき、違和感を抱いた人も少なくなかったようです。
ジャッキーはケネディの死後、オナシスと再婚しており、そのオナシスとも死別しているとはいえ、確かに不自然なことかもしれません。
ジャッキーが最初の夫ケネディの傍らに埋葬されたことについての私の気持ちを代弁してくれるような一文に偶然にも出会いました。
1995年8月に宝塚雪組公演で「JFK」が上演されたとき、私も見に行ったのですが、そのときのパンフレットに書かれた作・演出の小池修一郎氏の文章の中です。
‥‥昨年、ジャクリーヌ・ケネディ・オナシスが亡くなったとき、アーリントン墓地に埋葬されたのを知って、大変驚いた。遺族の希望によるものだろうが、それにも増して、米国民が彼女をその後の有為転変にも拘らず、故大統領の側に眠らせたがった。挫折したロマンスを30年後に衆意が完成させたのだ。それほど人々の夢とノスタルジーを掻き立てる「あの二人」「あの頃」への興味が、私自身の幼い記憶を超えて膨張していった。‥‥
私がアーリントン墓地を訪れたとき、さらに感慨深かったのは、ケネディ夫妻の墓石の両端にある一回り小さな墓石でした。
ひとつは1956年8月にジャッキーが死産した女児アナベラのもの、もうひとつは大統領の暗殺の3ヶ月前に生後3日で亡くなった次男パトリックのものです。
ジャッキーとケネディの結婚生活はわずか10年。その間、夫は大統領の激務にあり、キャロラインとジョン Jr.の二人の子どもと共に普通の家族らしく過ごした時間も少なかったといえるでしょう。
仲良く4つ並んだ墓石は、まるで生前あまりできなっかった家族だんらんを「永遠の炎」のもとで楽しんでいるかのように見えたのでした。