ジョセフは何を調停したのか
corgiville (2013年5月21日 06:23)
今日は占星術愛好家の視点から、ケネディ兄弟の父であるジョセフ・P・ケネディ(通称ジョー)のホロスコープを探訪してみたいと思います。
バースデータはAstro deta bankのものです。
★ジョセフ・P・ケネディ 1888年9月6日 7:06AM マサチューセッツ州 ボストン
先に探訪した彼の妻ローズも際立ったアスペクトを持つチャートでしたが、ジョーのそれも、ぱっと見ただけで目に飛び込む特徴があります。
●乙女座に4つの個人天体
乙女座14度に太陽、18度に月、25度に水星、29度に金星と個人天体すべて乙女座にあります。有能、器用、完璧主義、効率的、細かいところに気がつく。考えるだけでなく行動する・・・乙女座の持つ特徴がかなり強化されています。
この4天体は12ハウスにあります。12ハウスは「秘密の室」といわれますが、裏工作や制的な宿命の影響下にあり、後年、自身は表舞台には出ず、息子を大統領にすることへの常識を超えたバックアップがそれを示しています。
●ノーアスペクトの土星
ジョーのホロスコープで土星は天王星とセクスタイルですが、個人天体とはまったくアスペクトせず、個人の人生の中ではノーアスペクト状態です。これは父親の絶対的な権力を象徴していると思います。
ジョーは亡くなるまで(少なくとも1961年12月脳卒中の発作で倒れるまでは)、ケネディ家の家長で、彼は家族を支配していました。
●「調停の三角形」が示すもの
そして、彼のホロスコープで私が一番特徴的だと思うのは、「調停(メディエイション)の三角形」と呼ばれる複合アスペクトです。
このアスペクトはオポジションの天体にセクスタイルとトラインでアスペクトするもうひとつの天体があり、オポジションの緊張状態がトラインの穏やかさで緩和され、セクスタイルの活気が加わると言われています。
ジョーのチャートは、3つの頂点がコンジャンクションする天体2個でできているので、結果、この直角三角形が二重になりたいへん強い力を持つことになります。
構成する天体は水星・金星─火星・木星─海王星・冥王星です。
そして、火星・木星─海王星・冥王星間の真正面から向かい合う緊張から生まれる影響を水星・金星で、緩和するだけでなくより生産的なものに高めていく力を生み出します。
最近の解釈ではアスペクトの種類に吉・凶はないというスタンスをとる占星家も多いのですが、いずれにしても6つの天体が相互に織り成すドラマが幾通りも創出される可能性を孕んでいます。
6つが一度に働くこともあれば、そのときのトランジット天体の絡みで、ある部分が強く働くことも考えられます。
ジョセフが持つ「調停の三角形」の組み合わせは下のようになります。(私のことですから、拾い漏れがあるかもしれませんが)
3個の天体から成る三角形の基本的な解釈を挙げてみます。
●水星─火星─海王星・・・激しい思い込み
●水星─火星─冥王星・・・目的のために手段を選ばず
●水星─木星─海王星・・・自分の感情を表現することに長ける
●水星─木星─冥王星・・・地位・名声へのこだわり
●金星─火星─海王星・・・移り気な一面。
●金星─火星─冥王星・・・官能的。恋愛がらみ。相手への執着
●金星─木星─海王星・・・形にならない夢を追いかける
●金星─木星─冥王星・・・発展。すぐれた経営感覚
ジョー・ケネディは、1919年に施行されたボルステッド法─「酩酊を引き起こす液体」を「飲料目的」で製造・販売・輸送することを禁止する法律ができたときそれを絶好の金儲けの機会に変えました。
酒(海王星)と金(金星)、儲ける(木星)、知恵を働かせる(水星)の調停の例でしょう。
映画(海王星)製作に乗り出し、女優(金星)との情事(火星)にのめりこみました。(冥王星)
秘書(水星)として雇った女性とも肉体関係(火星・金星)を持ち、公私の境をなくしました。(海王星)
また、ハーバードを出て、最初に勤めた銀行で、ボストンの銀行が貸し出し枠を設定している会社の秘密情報(冥王星)を入手し、問題を抱えている(火星)会社を安値で買収することを思いつきました。(水星)
子どもたちに信託基金を作り、死ぬまで分配金が受け取れるようにし、子どもたちを完全に支配しました。(金銭の室2ハウスに火星・木星が入り、金星、冥王星とアスペクト)
自ら失墜した大統領への野心(火星・木星)を息子に託して見事に復活(冥王星)させる作戦(水星)を錬りました。
もっとゆっくり見ていくと、ジョーの人生と「調停の三角形」のアスペクト遊びをい面白いようにみつけることができるでしょう。